私にとってカニというのは、余り特別なものではなくむしろ、何時でも食卓に並んでいるものでした。

世間ではよく、「高級品」というように思われていますが、私にとっては、大人になる今まで、そのように感じたことはありません。

なぜ、そのような生活をしていたのかというと、それは、私の父が、カニ漁師だったことと、漁港のそばに住んでいたことが影響しています。

元々は、都会でサラリーマンをしていた父ですが、私が生まれてすぐの頃、この漁港のそばに引っ越しをしました。

俗にいう、脱サラというやつです。

でも、今では、それなりに、カニは高級な食材だという認識があります。

そう思うきっかけは、都会にでて、一人で生活を始めたときに、痛感したことです。

一人暮らしを始めると、何もかもが不便で、結構、自由が利かないということが多々あります。

私は、カニが好きなので、いつでも食べたいというように思っているのですが、中々、食べられる機会には遭遇しません。

確かに、カニというのは、スーパーに行けばいつでも置いている食材なのですが、何せ、価格が高いので、今の私では手も足も出ないのです。

そのようなことに気が付いたとき、私は「あっ、子供のころは、それなりに恵まれていたのだな」と感じてしまいました。

最近では、それなりにカニを食べる機会も多く、頻繁にというわけではありませんが、1年の内に数回は、カニを食べるようになりましたが、やはり、このような感覚になってからでもカニというのは「高級な食材だ」という先入観があり、何かイベントごとやたくさんの人が集まるときでないと、カニを食べるということは少なくなりました。

このように思うようになったのも「私自身が大人になった」ということなのかもしれませんが、子供のころの感覚と大人になってからの感覚というものは、こんなにも違うものなのかなと思っています。

最近、またカニが食べたくなってきているので、今年の休みには、実家に帰ってカニをお腹いっぱい食べようかなとも考えています。

実家に帰れば子供のときのように、カニがたくさんあるのでそうしよう。

実家のカニですからお金はかからないですし、何しろ、何も気にせずに食べられるということが大きいように思っています。

こんなことを考えしまうということは、「まだ、大人になりきれていないということなのか」なとも思いますが、カニの誘惑には勝つことができません。

特に、お金を使わずにして食べるカニというのは、格別だと思います。